★☆☆☆☆ 数多あるデフレ原因のたった一つを指摘して、こんなに威張りすぎ&冗長すぎて良いの?
デフレの正体(原因)は数多ある。数多あるからこそ、デフレ脱却は難しいのです。その数多あるデフレ原因の
たった一つを指摘して、これこそ唯一の「デフレの正体」だと誇らしげに冗長な話が延々と続きます。しかも、この方
自分とは違う論・論者に対して、酷く攻撃的で、読んでいて気分が悪くなり途中で読むのを止めました。
せっかく、著者唯一の指摘「人工の波がデフレ正体の一つ」は素晴らしい切り口であり、裏付けも納得できるのだが、
排他的で超攻撃的な人間性&冗長すぎて読み難い文章力のマイナスを考慮すると、残念ながら☆は一つ。
★★★☆☆ 主張は正しいが、冗長
「景気変動はすべて人口動態で説明できる」。これが、本書の主張の肝です。
タイトルには「デフレ」とありますが、デフレの話はほとんど書いてありません。人口動態の経済への影響を解説した本です。
人口動態に着目した分析は、既に小峰隆夫氏によって「人口オーナス論」という形でより精緻になされています。特に目新しい議論ではありません。
内容自体は、正しいと思います。ただ、とにかく冗長です。やたらと括弧書きが多い読みづらい文章をシンプルにして無駄な図表を削れば、もっと良い本になったでしょう。
さて、著者も指摘するとおり、日本経済が当面抱える一番の問題は就業者数の減少です。
失業率は常に高い注目を集めますが、就業者数(就業率)にはまったくと言ってよいほど注目が集まりません。これからは、就業者数の動向にもっと注視し、就業者数が減る中でも持続可能な経済社会構造について真剣に議論されるべきだと感じました。
★★☆☆☆ 疑問の多い本
著名なブロガーの方が推薦されていたので読んでみました。
結論から言うと、いろいろと疑問の多い本です。
とくに大きな問題なのは、以下の3点です。
まず第一に、人口の波がデフレの真因であるとするなら、日本と同じ高齢化問題を抱える国は、日本同様に長期デフレに悩まされているはずです。
しかし、ドイツにせよイタリアにせよ、日本のような長期デフレ現象は全く生じていません。著者の説明によれば、人口の波によるデフレはちょっとやそっとの景気対策では改善できないはずですから、こうした諸外国のケースへの説明が必要でしょう。
第二の問題点ですが、著者は、団塊世代が退職するのに伴う労働人口減少に対して、女性の社会進出で対応せよ説きます。
女性の社会進出自体は大賛成ですが、著者の議論の立て方は「オークンの法則」に反しているのではないでしょうか。オークンの法則とは、実質GDP成長率と失業率との間に負の相関関係があるというもの。あっさり言うなら、成長率が下がると失業率が上がるということで、これは我々の日常的な感覚にもぴったりくるものでしょう。
つまり、デフレ下では失業率が高止まりするのですが、にもかかわらず、人口の波デフレだから労働人口の減少を食い止めよという処方箋は、理解に苦しみます。失業率が高止まりしている状況で、そこへ新規労働者を大量導入すればどうなるかは、言うまでもありません。
第3の問題点は、日本人の持つ莫大な金融資産についてです。
日本人の貯蓄好きが行き過ぎ、需要不足=デフレを招いているのは明らかですが、こうした金融資産の多くは高齢者のもので、著者は、高齢者から若者への所得移転を提唱します。
これ自体は望ましい政策ですが、所得移転がデフレ解消の効果的な処方箋かどうかには、大きな疑問があります。つまり、所得移転を受けた若者が、将来の不安から貯蓄としてためこんでしまえば、結局は同じことになってしまうからです。
この問題は、なぜ不況にもかかわらず日本人は貯蓄ばかりするのかという視点が重要になりますが、著者の議論は、高齢者にはもう欲しいものが無いから若者に金を回せというところで停止してしまっているのです。
以上の3つの問題点から見えてくるのは、著者の金融政策の知識が、かなり偏ったものであるのではないかということです。
金融政策は万能ではありませんが、諸外国の例を見るかぎり、高齢化問題とデフレが直結するような拙劣な事態を招いているのは、先進国の中央銀行の中では日銀だけです。しかし、なぜか本書では、日銀に対する批判は的外れと一刀両断され、それ以上の検討はなされません。
仮に、デフレの大きな要因として人口の波を認めるとしても、金融問題を論じる以上、人口の波デフレへの処方箋として日銀の金融運営が出来ることを全く検討しないというのは、なんらかのバイアスがかかっていると考えざるをえません。
したがって、評価は星2つとさせていただきます。
★★★★☆ デフレの原因は生産年齢人口(=現役世代)の減少にあることが明確なのに、なぜ、まだわからない人が多いのか?
「経済を動かしているのは、景気の波ではなくて、人口の波、つまり
生産年齢人口=現役世代の数の増減だ」ということを明確に
指摘している。
デフレの原因を「中国だ」、「日銀の金融政策の失敗だ」、
「増税を持ち出した政治家が悪い」、「年金制度の問題だ」などと
いう人がいるが、どの人も、人口の波という一番大きな要因が
見えていない。
多少理解を示している人も、生産性を上げれば、日本はよみがえる、
といいかげんなことを言うのが関の山で、この本が、一刀両断に
してくれます。その意味で、小気味の良い本になっています。
シロートとしては、たいへん解りやすい説明なのですが、
なぜか、一般的に理解されているとは、言い難いのは、なぜなのでしょうか?
経済評論家の人も、マスコミの人も(そして政府関係者も)ちゃんと、この本を読んで、
意見を戦わせて欲しいものです。
★★★★★ すばらしい内容です。
不況の原因である「需要不足」について、具体的なデータに基づきその「対策」まで踏み込んだ素晴らしい本だと感じました。
我が国はかなり長い間貿易黒字を続けて世界中から利益を上げているはずなのに、その「利益」がいったいどこに消えてしまっているのかを知りたい方にお勧めです。
こんな商品もあります
●人口負荷社会(日経プレミアシリーズ)●新書がベスト (ベスト新書)●13歳からの法学部入門 (幻冬舎新書)●実測!ニッポンの地域力●年金は本当にもらえるのか? (ちくま新書)PR